嗚呼、タマちゃんよ…どこへ行く？(第十四回)

こんばんは、アゴヒゲアザラシ研究家(前世)の
世界です。そこ、私語を慎むように。

皆さんは、アゴヒゲアザラシなる動物を
ご存知でしょうか？
そう、現在巷を騒がしている
多摩川のニューヒーロー(ヒロイン？)
「タマちゃん」です。
今日は、そのアゴヒゲアザラシについて
お話しましょう。
ハイ、何ですか？スヅキ君。
ん、トイレ？…早く行ってきなさい。

そもそも、アゴヒゲアザラシは
北極圏等の寒い地域に生息する生き物です。
アシカと同じ鰭脚類(ききゃくるい)で
親戚にセイウチもおります。

アザラシ科の生き物は19種類
アシカ科は、オットセイやトド、オタリア等も含まれ
全部で14種類ほど。
ちなみに、セイウチは一種類のみの生き物です。
ココは、来週の期末試験に出るので
覚えておくように。

え〜、特徴としては
一週間くらい食べなくても大丈夫な
タフなボディ等があり、
適応性が高い事も挙げられます。
そして、最大の特徴は何と言っても
ウィークポイント…ではなく
チャームポイントのあのヒゲです。
…誰ですか？ガン○ムなんて言ったのは？
先生怒りますよ！

オホン！え〜、さて
今回多摩川に現れたタマちゃんですが
群れからはぐれてしまったのではないか
という意見が一般的なようです。
先生も、そう思います。

学会では、この出来事を
「8・7アゴヒゲアザラシ騒動」と名づけ(嘘)
21世紀の海洋生物学史に残る
事件として、研究を進めていくようです。
この赤い丸をした部分は
十年後の早明大の入試に出る可能性が高いので
チェックを忘れないように。

さて、では、この騒動で起きた弊害を…
そうですね、今日は19日ですから
出席番号19番に答えてもらいましょう。
19番、誰ですか？
え、さっきトイレに行ったスヅキ君？
彼が19番？…仕方ありませんね。
じゃあ、今先生から目をそらした
高柳君、どうぞ。

どうしました？
解りませんか…高柳君、校庭十週。
では、先生が答えましょう。

今回の騒動では弊害として
タマちゃんのHPがパンクしてしまった
と言う弊害が報告されています。
また、偽善ぶった無知蒙昧な市民が
保護しないのは可哀相などとぬかし
政府に文句を言ってきたそうです。
保護してどうしろというのでしょう？
海に返してやれと？

なめるな。

自然の動物は人間とホイホイお友達になれるような
甘い生き物ではありません。
特に危機的状況でもない限り
下手に捕まえようとすれば
抵抗して怪我をしたりしてしまう可能性も
考えられるのです。

我々に出来る事は
そっと見守ってあげる事だけなのです。
決して、

「一緒に泳ごうとして川に飛び込んだものの
タマちゃんに逃げられ。
あまつさえ、見守っていた観客に
罵倒される」

ような事ではないのです。

タマちゃんの人気に便乗して
河原でアイスキャンディーを売るのは
商売上手だと思いますが。
ていうか、先生も同じ事考えてました(笑)

現在、タマちゃんは既に
台風の到来を察知してか
忽然と姿を消してしまいましたが
今頃は、北の酒場通り…じゃなかった
北の海へ、帰っていってしまったのかも知れません。

また来年も、タマちゃんを見たいと
密かに願うのでした。